温活で大切なのは深部体温。一時的な保温ではない対策を

体の不調や太りやすさに「冷え」が関わっている、というのはよく知られていること。 上のチェックリストに当てはまるものが多いほど、体が冷えている可能性が大。 それを改善するための「温活」も、今や多くの女性が行っています。 だけど実は、間違った方法での「温活」も。

「体温には、体の表面の“皮膚温”と、体の中心部の“深部体温”があります。
温活の基本は、深部体温を上げるために体温の約4割を生み出す筋肉をつけること。
その上で、血流を促してその熱を体中に行き渡らせることが大切になります。
一方で温活として広まっている方法の中には、一時的に体を温めても、その後冷やしてしまうものが。
また表面の皮膚温を下げないよう保温することも大切ですが、体調にはマイナスなことも」(イシハラクリニック 副院長・石原新菜先生)

実は深部体温を下げている!?やりがちな勘違い温活

日々の習慣が気付かない内に、深部体温を下げてしまっているかも。ここではそんな勘違い温活を紹介していきます。

【勘違い温活その1】食事をすると温まるので、1日3食しっかり食べている

成長期は別として、運動が不足しがちな現代の大人が3食しっかり食べると消化・吸収のため胃腸に血液が集中し、排出に関わる臓器に血液が回らず、働きが低下します。 血液がドロドロになって流れがよどみ、体温も低下。

【OK温活】食事は軽めに、飲み物メインで!

朝は、睡眠中に体内で処理された不要物の排出を優先して食事は軽めに。 体を温めると言われる人参、りんご、しょうがをジューサーにかけた生ジュースがベストですが、市販の野菜ジュースでもOK。 またお味噌汁は体を温めるので、インスタントでもおすすめ。

【勘違い温活その2】朝は一杯の白湯で内臓から温め、体を目覚めさせる

朝は睡眠中にかいた汗を補給するためにコップ1杯以上の水分をとるべきと言われ、肌寒い時期は白湯で内臓から温めましょう、という説が一般的。 ただ白湯をたっぷり飲んでも、一時的に温まるだけ。 体内に溜まった水が体温より冷えると、体を冷やしむくみの原因に

【OK温活】白湯には、しょうがやシナモンなど、スパイスを加えて!

白湯にはしょうがやシナモンのパウダーを加えましょう。 血管を広げ、熱が体内に回ります。 しょうがは、生の場合と加熱・乾燥したものでは成分が変化。 生だとジンゲロールという成分が手足などの末端を温め、乾燥加熱したパウダーに含まれるショウガオールだと体深部からのあたため効果が期待できます。

さらに温活! 内側からじんわり温める【よもぎ蒸し】で血管を拡張
よもぎ蒸しとは、よもぎの葉などの漢方成分を煮出して加熱し、その蒸気を膣や肛門などから粘膜吸収させるもの。体の芯を直接じんわり温め、血管を広げて血流を促します。大量に汗をかけるので、むくみ対策としても。

【勘違い温活その3】代謝アップのために水をたくさん飲む

めぐりの良い体を目指し「1日に水を2ℓ飲む」系の美容法は、運動して汗をかく生活とセットにしないとNG。 汗もかかない状態で無理に大量の水を飲んでも、細胞に水が溜まってむくみ、血流を悪化させて冷える、という悪循環に。

【OK温活】無理せず、飲みたいときに飲む、でOK

秋冬は空気が乾燥しているので、ある程度の水分は必要。 ただ、代謝を促そうと無理やり大量に飲んでも逆効果なので、「喉がかわいたな」と思ったら少しずつ飲む、でOKです。 また水はもちろん、常温以上で飲みましょう。

さらに温活!【岩盤浴】で汗をたっぷりかいて、体内の余分な水分を排出
天然石や岩石を敷き詰めて温め、タオルなどを敷いて横たわる岩盤浴。遠赤外線効果でじわじわと無理なく全身を温めてたっぷり汗をかけるので、運動不足ならこれからの時期に活用を。代謝が促され、気分もすっきり。

【勘違い温活その4】厚手のニットやアウターを着て、保温に気を付ける

厚手のトップスは一見暖かそうですが、重すぎて空気の層をつぶしてしまうため、保温力が弱くなりがち。 逆に温まりすぎると、汗をかいても体温調整しづらい、という難点が。 また上半身が温まりすぎるのは、冷えのぼせの原因にも。

【OK温活】薄手の重ね着やはらまきで下半身を重点的に温める

冷えのぼせを防いで効果的に体を温めるには、「頭寒足熱」に。 はらまきを含め下半身を重点的に、薄手の重ね着で空気の層を作りましょう。 特に肌着1枚で1℃違うと言われるので、発熱インナーや発熱タイツなどを上手に使って。 暖房で脱ぎ着できるのも利点です。

【勘違い温活その5】外気で冷えないよう、毎日部屋でぬくぬく…

体を冷やさないことは基本。 またイライラは血管を収縮させ血流を悪くして体を冷やすので、リラックスすることも大切。 だけど体熱を生む筋肉にとっては、1日だらだらしすぎな過ごし方だと今ある筋力すら減らしてしまいマイナス。

【OK温活】筋トレは最高の温活。運動で筋力アップを

筋肉は体熱の約4割を産生するので、オフには少しでも動いて筋力アップを目指したいところ。 エクササイズができればベストですが、歩くだけでもOK。 筋肉をキープしつつ血流を促してくれるので、週に3回はウォーキングを。

【勘違い温活その6】一晩中保温したいから、電気毛布でおやすみなさい…

真冬には、冷たいベッドに入るのがつらいということで電気毛布を使う人も多いはず。 でも一晩中つけっぱなしだと皮膚温を上げすぎて、睡眠中に体がメンテナンスを行うために必要な水分を奪います。 のどが渇いて目が覚めてしまうことも。

【OK温活】就寝時のあっためアイテムは湯たんぽに

ベッドを温めるのに電気毛布を使うなら、寝るまでの時間だけにして睡眠時には切るようにしましょう。 それよりおすすめなのは、湯たんぽ。 じんわりと熱すぎないあったかさで、徐々に冷めるので余分な水分を奪いません。

【勘違い温活その7】足が冷えないよう、寝る時も靴下をはいたまま

足先が冷えていると眠れないですが、だからといって靴下をはいて眠ると血管が締め付けられて、逆に冷えることに。 眠りにつくには足裏から放熱して皮膚温を下げることが必要ですが、靴下で覆ってしまうとその放熱も妨げます。 睡眠中に足裏の汗がこもるのもNG。

【OK温活】締め付けないレッグウォーマーで足首を保温!

足裏の放熱や汗の蒸散を妨げずに足を温めるには、冷えやすい足首だけをカバーし足先は覆わないレッグウォーマーを。 血流を滞らせないよう、締め付けないものを選びましょう。 ゆるめのはらまきで体中心を温めるのも◎。

さらに温活!【リンパドレナージュ】で滞っている熱の巡りを促す
リンパと血管に沿って、手足の末端に滞った流れを促すよう全身をもみほぐすリンパドレナージュ。オイルトリートメントの心地良さとしっかり押し流すような手技によって、手先・足先まで温かな血流が行き渡る感覚が味わえます。

詳しい内容は、HOT PEPPER、HOT PEPPER Beauty2018年11月号【2018年10月26日(金)発行号】にてご覧ください♪

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企画/菅野美咲(本誌) 構成•文/江尻亜由子 ※各施術やサービスは、お店やメニュー、施術者によって異なります。※効果は体調改善で、体質改善や病気治療とは異なります