留袖に合わせるヘアスタイルのマナーは?

格式の高い着物として、結婚式や式典などで着用する留袖。
留袖には他の和装とは異なるヘアスタイルのマナーがあります。
マナーを守りつつ素敵な姿でハレの日を過ごせるよう、順番に見ていきましょう。

マナーその1:襟足や後れ毛が出ないアップスタイルにする

留袖を着用する際は、襟足や後れ毛が出ないよう、すっきりと髪をまとめるアップアレンジにするのが基本です。
求めるスタイルによりますが、顎より数センチの長さがあればどのレングスでもアレンジできます。

ミディアムやロングレングスの方はもちろん、ボブヘアの方もアップヘアを検討してみましょう。
髪が短い方の場合でも、襟足や後毛を出さないようにするのがマナー。
特に襟足や後れ毛が短いショートヘアの方は、ヘアピンやスプレーなどを使ってまとめる必要があります。

セルフアレンジはかなり難しいうえ、長さによってできるアップスタイルは異なります。
美容師さんに自分のレングスに合った髪型にセットしてもらいましょう。

ただし、どうしても髪の長さが足りない場合は、ダウンスタイルでも問題ありません。
その際は後頭部にボリュームを出し、毛先に重みがあるスタイルを選ぶのがおすすめです。

マナーその2:アクセサリーはかんざしが基本

ヘアアクセサリーは、華美なものではなく金や銀、べっ甲、パールなどの素材が◎
落ち着いていて上品なデザインを選びましょう。
望ましいのはかんざしで、写真のような扇形のものが理想的。
揺れるか飾りが付いているタイプのものは避けるのがマナーです。

なお、短い髪の方やシンプルなスタイルが好みの方の場合は、必ずしもかんざしを付ける必要はありません。

留袖ヘアを若々しく見せるポイントとは

留袖を着用する機会が多い40代から60代。
せっかく留袖を着るなら「できれば若々しく見えるようなスタイルにしたい」と考える方も多いでしょう。
留袖ヘアを若々しく見せるためのポイントは次の通りです。

・明るめのカラーリングで顔まわりを明るく見せる
・髪表面にツヤを出して上品さをプラスする
・トップやシニヨンに自然なボリュームを持たせてバランスをとる
・シニヨンの位置を下げ過ぎず首元をすっきり見せる
・ねじりやカールアップなどのアレンジを取り入れる


老けて見えやすい原因として、髪の乱れやボリュームの出し過ぎ、まだらな白髪などが挙げられます。
ポイントを意識した髪型にすることで、お顔も明るく若々しい印象になりますよ◎

ここからは、上記を押さえた40代から60代の方におすすめしたい留袖にふさわしい髪型をレングス別にご紹介します。 フォーマルシーンにぴったりな上品で若々しいスタイルばかりなので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

留袖にふさわしい髪型:ショートレングス向け

ショートヘアの方には、ボリュームを持たせたアップスタイル風の髪型などがおすすめです。
トップに逆毛やあんこを入れて高さを出したり、セット前に髪を巻いたりすることでボリュームをプラスできます。

襟足や後れ毛が出ないよう、ヘアピンやスプレーでしっかり固定すれば留袖にふさわしい上品な雰囲気に。
どうしても襟足が出てしまう方は、ウィッグ(つけ毛)でカバーするのもおすすめです。

一方、トップに長さがないベリーショート方の場合は、無理にアップスタイルにしなくてもマナー違反にはなりません。
ヘアワックスやスプレーでしっかりと固め、可能な限り毛先を出さないよう、すっきりまとめましょう。
すっきりまとめた上品スタイル
トップに長さがあるショートヘアの方におすすめのスタイル。 襟足を内側に入れ込み、すっきりとまとめています。 表面のツヤ感が留袖に合う上品な仕上がりになっています。
ふんわりウェーブのエレガントスタイル
トップをゆるく巻き、ボリュームを持たせたエレガントなスタイル。 ふんわり感がありますが、襟足をすっきりさせているのでカジュアルになり過ぎません。 華やかな雰囲気がお祝い事にぴったりです。
華やかなウェーブスタイル
全体にニュアンスウェーブをかけた華やかなアップスタイルです。 ロープ編みを入れているので、デザイン性だけでなく、崩れにくさも◎ ふんわり感を出しつつ、ルーズ過ぎない柔らかな雰囲気に仕上がっています。

留袖にふさわしい髪型:ミディアムレングス向け

ミディアムレングスの方には、シニヨンや面の美しさを活かしたまとめ髪などがおすすめです。

髪の量はあるけれど長さでボリュームが出しづらいミディアムレングスは、まとまりのある髪型が得意◎
あえてボリュームを抑えて、凛とした雰囲気に仕上げるのも素敵ですよ。

シニヨンスタイルはコンパクトにまとめたり、ふんわりさせたりとバリエーションが豊富。
どんな髪型にするか迷ったら、シニヨンスタイルを選ぶのがおすすめです。
面が美しい上品スタイル
表面を櫛でなめらかに整えた面が美しいアップスタイル。 全体的にボリュームを抑え、落ち着いた雰囲気に。 面が主役の髪型なので、かんざしを付けなくても上品な仕上がりになっています。
可憐なふんわりシニヨン
毛先を巻いた髪を耳より下のラインでまとめたシニヨンスタイル。 シニヨンがふんわりしている分、トップのボリュームを抑えることで全体のバランスも◎ 女性らしく柔らかい雰囲気が晴れの日にぴったりです。
毛流れが美しい華やかアレンジ
ひとつにまとめた髪をねじり上げ、毛先をカールさせた毛流れの美しいスタイル。 後頭部に高さを出すことで首元がすっきり見えるため、清潔感があります。 右サイドは美しい面になっており、左右で印象が違って見えるのも魅力です◎

留袖にふさわしい髪型:ロングレングス向け

ロングレングスの方は、夜会巻きや日本髪のような盛り髪、シニヨンなどがおすすめです。
髪の量や長さがあると、編み込みやカールなどデザイン性の高いセットなど、バリエーションも豊富。

セットのみでも存在感があるため、写真のようにかんざしを付けないシンプルなスタイルも素敵です◎
かんざしを付ける場合は、控えめのものを選ぶと全体のバランスが取りやすくなりますよ。
エレガントなねじりアレンジ
複数回ねじりを入れ、うなじ部分にたっぷりとボリュームを持たせたスタイル。 デザイン性が高いため、かんざしを付けなくても華やかな雰囲気に◎ ツヤのある面と美しい毛流れが、黒留袖の上品さを引き立てています。
逆三角シルエットが個性的なアップスタイル
両サイドの髪をたっぷりとねじり、襟足でまとめた個性的なアップスタイル。 逆三角形のシルエットは、どの角度から見てもデザイン性抜群! ロングレングスだからこそ叶う、おしゃれな髪型に仕上がっています。
クラシカルな日本髪スタイル
ツヤのある面が美しい日本髪スタイルです。 ボリュームを抑え、コンパクトに仕上げることで落ち着いた品のある印象に。 日本の伝統を感じる留袖にぴったりの髪型に仕上がっています。

マナーを守って留袖にふさわしい上品ヘアに

留袖には夜会巻きやすっきりとしたシニヨンなど、気品を感じさせる髪型がぴったり。
ただし、「毛先を出さない」「控えめなヘアアクセサリーを付ける」など、マナーを守ることが大切です。

お気に入りの髪型が見つかっても、留袖にふさわしいのか自分で判断するのは難しいもの。
そんなときは、ヘアセットが得意な美容師さんに相談してみるのがおすすめです。

若々しく上品な留袖姿で大切な人のハレの日を彩りましょう!